――――あたたかな太陽と草のにおいに目覚めていく。
膝の上に眠る青年が起きたと分かり、青の青年は本を閉じて彼に微笑する。
「おはよう。よく眠れたか?」
「う―――んぁ………」
まだ睡眠が足りないのか、赤の青年・十代は目を擦りながらヨハンを見上げる。
隣の子供達は気持ち良さそうに眠っていた。
「なぁヨハン…」
「ん?」
「なんか、すっげぇー夢を見たんだ」
青年の髪を撫でまわし、ヨハンは「へぇー」と応える。
「どんな夢?」
「うーん…はっきり覚えていないけど、シャリー達を万丈目達に預けて、ピーターやアレックスは子供を引き取るある施設の責任者になって、オレとヨハンが別れ
て……」
「オイ、最後のはなんだよ」
「いや、続きを聞けって。……それでオレは旅をして、ヨハンは屋敷でオレを待ってて…それである日、遊戯さんたちの童実野町に事故が起きて、オレは子供の遊星の仲
間にあったんだ」
「ずいぶんとはっきりした夢だな。で、」
彼の腕を取り、ヨハンは不機嫌そうに十代を見た。
「俺と別れるってなんだよ」
「怒んなって。やきもち?」
「妬くさ。だから責任を取れ」
「は?…―――――」
緩やかに手に触れ、震えながら指輪を付けさせる。
捧げる様にゆっくりと自分に向かせ、口付けられた指輪は小さな銀色に輝く。
はじめに目を剥き、しばらくすると彼は上半身を起こし、首のネックレスの指輪を取り出す。
同じ動きを繰り返し、目の前にいる者に指輪をはめる。
そして、キスをする。
まるで暖かさに染められたかのように指輪の冷たさは沈黙と共に消え去る。
二人は顔を上げた。
―――――お前は俺のモノ、俺はお前のモノ
青の呟きに赤は目を瞬き、細める。
共に誓い、共に願う。
同じ道に生きることを望み、…そして。
青は伝えた。
「…俺と、結婚してくれ」
「―――…うん」
我らの子供達が
新たな幸せな未来へと向かいますように
Fin.